雪輪ってどんな柄なのでしょうか?
雪輪とはその名の通り、雪の結晶の輪郭を曲線でつないだ円形の柄です。
雪輪は雪の結晶をモチーフにした柄で、その幾何学的な美しさは、シンプルながらモダンなデザインを作り出してくれます。
雪輪の輪郭の中に季節の植物や別の文様を描いたり、他の柄と組み合わせたり、そのバリエーションは無限大です。
着物や帯だけではなく、手ぬぐいやバッグ、扇子などの小物にも使われているので、一度は見たことがある柄だと思いますよ!
雪の多い年は雪解け水が豊富なため、豊作になる前兆であると信じられていたことから、雪輪は縁起の良い柄とされ、四季を通じて用いられる柄です。
また、あえて夏の着物にあしらうことで、目に涼感を与えてくれる粋な柄でもあります。
今回は、雪輪の歴史と魅力を帯の画像でたっぷりご紹介しますね!
・雪輪柄の歴史と由来
・バリエーション豊かな雪輪柄の帯のコーディネート
自由な発想で幅広くアレンジされた雪輪を見たら、きっと自分好みの一枚を探してみたくなるでしょう。
それでは、ぜひ最後までお読みくださいね。
帯の柄【雪輪】とはどんな柄?その特徴や由来を解説
ここでは、雪輪はどのような柄なのか、その特徴や歴史、由来について解説します。
雪輪はどんな柄?
雪輪柄は雪の結晶を曲線でつなぎ、6弁の丸い花のように表した柄です。
均整の取れた形が印象的ですが、そのデザイン性の高さから、さまざまな柄との組み合わせや幅広いアレンジが施されてきました。
こちらが雪輪の基本的な形です。
円に6つの切れ込みが入った形が基本ですが、切れ込みの深さや数、丸みや鋭さに変化をつけたものなど多種多様。
雪輪のフォルムだけを用いたシンプルでモダンなデザインのものもあれば、雪輪をいくつも連ねた華やかなものもあります。
さらに雪輪の輪郭を装飾枠として、その中に季節の草花や松、竹など別の柄を組み合わせたり、輪郭そのものを柄の区切りに用いたり、一見雪輪とはわからないものもあり、そのデザインの幅は無限大です。
雪輪の歴史と由来とは?
古来より、雪は豊作をもたらす「五穀の精」と呼ばれ、吉兆のシンボルとされてきました。
というのも、大雪が降った年は、雪解け水が豊富に出るため、稲作が順調で豊作になる兆しと信じられていたからです。
そのため、雪輪は五穀豊穣の意味をもつ吉祥柄でもあります。
吉祥柄は、季節を問わず用いてもよいとされており、冬に限らず通年で楽しむことができます。
古くから雪は別名「六花」と呼ばれていましたが、雪の結晶が六角形であることは、オランダから顕微鏡が輸入された江戸時代後期に判明しました。
もともと、雪は「豊作の前兆」と考えられており、冬の情景を美しく表現する柄として庶民の間で親しみがあったのでしょう。
雪輪は江戸時代に一気に広まり、人気の柄となりました。
実は、一般的に雪輪は雪の結晶がモチーフと言われていますが、「雪持ち文様」が元となっているという説もあります。
雪持ち文様とは雪が植物の上に降り積もる様子を表現したものです。
こちらは笹の葉の上に雪がのった「雪持ち笹」です。
こちらは「雪持ち椿」です。
他にも雪持ち柳や雪持ち梅などがあります。
雪持ち文様の積もった雪の部分だけが発展して、くぼみのある円形模様ができ雪輪になったとも言われています。
雪輪の由来については諸説ありますが、日本人の自然に対する繊細な感性が伝わってきますね。
雪輪柄の帯を着こなすベストシーズンは?
雪の結晶がモチーフの雪輪は、冬の清らかで凛とした季節感を表すのに最適な柄です。
雪が降る冬はもちろん、本格的な冬が来る少し前に身につけると季節を先取りしたおしゃれができます。
さきほどもお伝えしたように涼感を演出するために夏帯にも使われる柄です。
冬の着こなしはもちろん、涼を楽しむ夏の装いにもぴったり。
草花などが一緒にデザインされた柄なら、それぞれの季節の風情を楽しむことができるでしょう。
雪輪は吉祥柄でもあるため、抽象化された柄なら季節を問わず通年で使えます。
1年中大活躍!バリエーション豊富な雪輪柄の帯の魅力
ここからは、シンプルなものから凝ったものまで、多彩な雪輪柄がデザインされた帯をご紹介します。
ぜひコーディネートの参考にしてくださいね!
雪輪を均等に並べたモダンでスタイリッシュな帯。
着姿をキリッと引き締めてくれそうです。
こちらはくぼみが深く入ったシャープな雪輪に、カラフルな色使いがかわいらしい帯。
輪郭にちょっとしたアレンジを加えるだけでも印象が変わります。
雪には決まった形がないため、このように7角形もしくは8角形の雪輪もあります。
別の柄を詰め込んだ雪輪と無地の雪輪、さらに大小異なる雪輪を重ねることで柄に奥行きが出ています。
雪輪を大胆に切り取った帯。
シンプルですが存在感があり、目を引くデザインです。
雪輪の中にさまざまな植物の柄が詰め込まれた帯。
やさしい色合いがエレガントです。
雪輪の中にバランスよく菊を並べた、淡い色合いの組み合わせがさわやかな帯。
均整のとれたデザインは美しく気品があります。
雪輪と雪の結晶が描かれた夏帯。
クールな色使いと相まって、ひんやりとした空気を感じられます。
雪輪の窓に雪だるまとうさぎを組み込んだ、遊び心のあるカジュアルな帯。
冬のお出かけが楽しくなりそうです。
いろいろな柄を詰め込んだ雪輪を重ねた豪華な帯。
セレモニーやお祝いにぴったりなデザインですね。
丸みを持たせた輪郭がふわふわとした雪の様子を表している、優美な帯。
輪郭の一部が欠けた雪輪があり、降っては溶けていく雪のはかなさを連想させます。
柄の区切りに用いられた雪輪の中に、さまざまな花模様が詰め込まれた帯。
凹凸がある円形の雪輪は、柄を立体的に見せる効果があります。
梅や菊、七宝などいろいろな柄の中にさりげなく描かれた雪輪。
カジュアルにもフォーマルにも活躍できそうな帯です。
柄のバリエーションが豊富なので、自分の好みに合う素敵な一枚を見つけられそうですね。
アレンジ自在な雪輪柄はオールラウンドプレーヤー
日本の伝統柄でありながら、柔らかさと幾何学文様ならではのモダンな雰囲気をあわせ持つ雪輪。
単独で用いられることもあれば、装飾枠として使われたり、柄を区切る役割を果たしたり、と万能な柄です。
雪輪が幅広く用いられるようになったのは、そのデザイン性の高さもありますが、自然を尊ぶ日本人の感性によるものでしょう。
雪の結晶を抽象化した雪輪は吉祥柄でもあるため、通年で着られるのも嬉しいポイント。
冬の風情を感じさせてくれるものから、華やかで愛らしいもの、おしゃれで洗練された印象を与えてくれるものなど、さまざまなデザインがあるので、お気に入りの一枚を見つけられそうですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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