大切にタンスにしまっていた帯に、くっきりシワがついちゃった!
専門業者に依頼するほうが良いのはわかっているけど、面倒だから自分でなんとかしたい!
こんなとき、「家庭にあるアイロンをかければシワが伸びるのでは?」と思いがち。
しかし、帯の素材や加工を確認せずにアイロンをかけるのは大変危険です!
正しい知識がないと、なんと帯のシワを伸ばすどころか、帯をダメにしてしまう可能性がありますよ。
この記事では、帯のシワの原因と対処の仕方、お手入れ方法をご紹介します。
- 帯のシワの原因と対処方法
- 帯のお手入れ方法
- 帯の正しいアイロンのかけ方
正しい帯のお手入れ方法を知って、大切な帯を守りましょうね。
どうぞ最後までお読みくださいね!
帯にアイロンをかける前にシワの原因と対策方法を調査!
帯のシワは、アイロンをかけてもムダになってしまうシワと、アイロンをかけることで改善されるシワがあります。
アイロンをかけてもムダなシワ
ついてしまった帯のシワの中には、アイロンをかけても、プレス加工をしても結局は元に戻ってしまうシワが2つあります。
表と裏の生地の素材が違うためのシワ
原因
表地、裏地いずれか一方にシワがついている場合は、ちりめんなどの縮みやすい生地と、違う素材の生地を使用しているときに起こりやすいです。
ちりめんのような生地は、湿気に弱く、熱や蒸気でも縮んでしまい、表地もしくは裏地の違う素材の表面にシワができてしまいます。
対策方法
このケースでは、帯の仕立て直しやプレス加工をしたとしても、あまり効き目がありません。
お手入れしても、縮みやすい生地と縮みにくい生地を合わせて使用しているので、同じようにシワができてしまいます。
シワができないようにするには、生地の性質を同じものに変える以外無いようですね。
帯を新しく購入するときには、どのような素材の生地を使用した帯なのか、チェックすると良いですよ。
- 帯のプレス加工とは?
専門の職人によって丁寧にアイロンをかけ、蒸気や熱でシワをのばす方法
たたみジワ
原因
帯を長い期間たたんだままにしておいたことが原因です。
それぞれの帯によっては異なりますが、帯を折りたたんだ外側の生地が曲がって生地が伸び、内側の生地は縮みますね。
もともとの表地、裏地とも同じ長さで縫製してあるのですが、折ってある部分に癖がつき、表地が伸びてしまいます。
たたみジワがついた帯を広げると、その部分がたわんでしまうのです。
特に厚い帯を畳んだままにしておくと、癖が強く付き、余計にシワが目立ってしまうことに。
対策方法
このケースは、もう一度仕立て直しても、プレス加工をしても、たたむとまた同じくシワがついてしまいます。
もし、着るときに差し支えがなければ「このような帯だ」と思い、現状のまま使用することにしましょう。
帯にたたみジワなど取り返しがつかないシワがつかないよう、使用したあとのお手入れ方法をご紹介します。
そこで、帯を使用したあとのお手入れ方法を以下のようにまとめました。
- ぬくもりがあるうちに、指や爪で生地に傷がつかないよう、丁寧にゴミやホコリを落とす
- ハンガーなどにかけて日陰で干し、シワの部分を帯の裏から押さえて伸ばしておく
- 湿気を飛ばして十分に乾かしたあとは、たとう紙に包み通気性の良いところで保管する
これで大抵の場合、帯についたシワは解消できるはずです。
そして、大切なのは帯のたたみ方ですね。
正しいたたみ方を覚えて、いつでもきれいな帯を維持していきましょう。
まずは、一般的なたたみ方をご紹介します。
1/8のたたみ方
- 帯を外表にして、半分の2つに折る
- また半分に折る
- 最後に半分に折る
次にお太鼓部分に折りジワがつきにくいたたみ方です。
1/6のたたみ方
- 帯を外表にし、たれ先を下、手先が上にくるようにして半分の2つに折る
- 手先の部分を20cm位内側に折りこみ、半分に折る
- もう一度半分に折る
お持ちの帯の柄に合わせるなどして、シワが目立たないたたみかたをしましょう。
帯をたたんだ折り目に、芯(布や綿、きもの枕など)を挟むと折り目がつきにくくなりますよ。
アイロンをかけることで改善されるシワ
こちらのシワは、お手入れ次第できれいになおりますよ。
縫製が原因のシワ
原因
布地は表地と裏地とも同じ大きさですが、帯をミシンで縫う際に、片方の縫い代を間違えてしまい、縫製が悪いため形が崩れてできたシワ。
対策方法
帯を仕立て直すことにより解決できます。
何度も結んだり、長時間使用したりしてできるシワ
原因
帯を使用して結んだあとのシワです。
対策方法
このシワは、再縫製かプレスできれいになります。
しかし、自分でアイロンをかければなおるというのは、別の問題です。
帯の生地によりますが、ちりめんのような縮みやすい生地が素材のものや、金糸が使用されている場合は、アイロンをかけることにより縮んで大変なことになってしまいます。
また、金銀箔の加工されている帯は、アイロンをかけると熱で剥がれ落ちる可能性もあります。
アイロンを使わずにシワを取る方法があるので、まずはこちらを試してみるのはどうでしょうか?
アイロンを使わずにシワを取る方法
- ハンガーなどにかけて風通しの良いところで陰干しする
- シワのついた帯をたたみ、たとう紙に包んだあと、他のたとう紙に包んだ帯をのせる、もしくは座布団をのせる。
- 白いもめんの布を帯の表のシワの部分にのせ、手のひらでそっとなでる
- 床の上にたとう紙に包んだ帯をおき、板をのせて厚い本を置いて均一の重さをかけ数日様子をみる
様子を見る期間は、シワの状態や、帯の生地により違いがあります。
特に装飾のないシンプルな帯でしたら、アイロンをかけられるかもしれません。
しかし、できることなら専門の業者に依頼するほうが良いでしょう。
帯の中には、特別な素材や製法で作られているものがあるので、取扱説明書の注意をよく読み、適切な方法での管理を心がけることが必要です。
帯にアイロンをかけるときに用意するものと注意点
帯を専門業者に依頼する時間がない上に、どこに依頼すればいいのかわからないわ。
料金がいくらかかるかわからないし、もし高額だったら依頼できないよ。
だったら自分でなんとかするしかない、と思いますよね。
帯は他の洋服とは違い、さまざまな生地が使用されていたり、刺繍などの装飾が施されたりしているので、以下のような注意が必要です。
- 帯に直接アイロンをあてない
- アイロンのスチームを使わない
- 刺繍や金銀箔は特に注意する、またはアイロンをかけない
- アイロンは軽くかけるようにする
- アイロンをかけるときは自己責任
わかったわ。じゃあ何を用意すればいいの?
続いて、帯にアイロンをかけるときに必要なものをご紹介します。
- アイロン
- アイロン台
- あて布
- 霧吹き
根本的に、帯は自宅でお手入れできるように作られていません。
つまり「シワができたからアイロンをかければ良い」というわけではないということですね。
どうしても気になる帯のシワ!アイロンのかけ方とは?
帯のシワを伸ばすには、ハンガーなどにかけて陰干しをする、正しく帯をたたんでたとう紙に包み、厚い本を乗せて数日様子をみるなどの方法をお伝えしました。
しかし、それでもとれない帯のシワや、時間がないなどの理由で初めから帯にアイロンをかけたい方に、アイロンのかけ方をご説明します。
最初は帯の裏地の目立たないところにアイロンをかけて、確認してからにしましょうね。
アイロンをかけるときは、帯の裏地からかけます。
あて布は糊がついていない、洗いざらしのものを用意します。
アイロンをかけるときは、軽く抑える程度にしましょう。
また、アイロンの温度は生地によりますので、布の表示をよく確認して行ってくださいね。
なお、高温でアイロンをかけたり、スチームアイロンを使用したりすると、熱でシミが定着する場合がありますので、注意しましょう。
霧吹きの水を帯に直接かけないように、あて布を帯の上から外します。
あて布にのみ霧吹きをかけてから、再びあて布を帯のシワの部分にのせ、アイロンをさっとかけます。
裏地からアイロンをかけても直らない場合は、裏だった帯を表に返し表地から1〜2の作業を繰り返し行います。
表地の目立たない部分にアイロンをかけて、色が変わらないか確認してからにしましょう。
生地の中には、アイロンをかけるとテカってしまうものがあり、十分注意して行ってくださいね。
以下には、帯のお手入れ方法、保管方法などのメンテナンスのポイントをまとめてありますので、ご一緒にどうぞ。
帯のアイロンのかけ方 まとめ
今回は、帯のシワ取りのためのアイロンのかけ方をご説明してきました。
応急処置としてご自分でアイロンをかける場合には、以下のことに注意しましょう。
- 帯に直接アイロンをあてない
- アイロンのスチームを使わない
- 刺繍や金銀箔は特に注意する、またはアイロンをかけない
- アイロンは軽くかけるようにする
あくまでも帯にアイロンをかけるときは自己責任にてお願いいたします。
帯にはさまざまな生地が使用され、金銀箔や刺繍などの加工が施されているものも多いです。
もし、自信がない、よくわからないという場合は、専門業者にお任せすると良いですね。
帯は着物と同じく湿気を嫌うので、ときどき虫干しをして乾燥した風をあてましょう。
帯のたたみジワを防げるだけでなく、帯を長く使用することができますよ。
以下は、お手入れ全般の記事です。ご一緒にどうぞ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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